育児と仕事のお役立ちコラム
2025年11月7日
育休からのリスタート!働くママのリアルな準備
育児休業を経て、再び社会に戻っていく。
その一歩は、期待と不安が入り混じった、どこか胸がくすぐったいような感覚を伴うものです。出産と育児という大仕事を乗り越えた自分が、これからどんな働き方を選び、どんな未来を描いていくのか。育休から復職する女性たちの胸のうちは、実に豊かで複雑です。
ただ一つ言えるのは、「育休明けの働き方」は、もっと自由で、もっと自分らしくていいということ。ここでは、復職を控えた働くママたちに向けて、リアルでポジティブな準備のヒントを紹介していきます。
1. 育休前と“同じ働き方”じゃなくていい
多くのママが悩むのが、「育休前と同じ働き方に戻れるのか」という不安です。しかし、そもそも出産・育児を経験した今の自分に、働き方が変わるのは自然なこと。
たとえば、以下のような変化があるのはごく普通です。
- 集中できる時間帯が明確になった
- 無駄な業務に気づきやすくなった
- 限られた時間で成果を出す思考が鍛えられた
- 仕事以外の“生活全体”を俯瞰できるようになった
これらはすべて“マイナス”ではなく、むしろ“強み”。
育児が仕事の足かせになるという考え方は、もはや古い時代の価値観です。
復職前の面談では、「前と同じ働き方を維持する」よりも、「今の自分に合う働き方を一緒に考える」姿勢で臨むことが大切。企業側も多様な働き方を求めるママ社員の意見を取り入れることで、組織全体の活性化につながります。
2. 復職準備は“心の整理”から始めよう
復職に向けてするべき準備はたくさんありますが、最初に必要なのは書類や保育園の手続きではなく、“心の準備”です。
たとえば、こんな問いかけを自分にしてみましょう。
- 私は何のために働くのか?
- どんな働き方をしたいのか?
- 今後5年、10年で叶えたい姿は?
- 仕事と家庭のバランスはどうありたい?
育児中はとにかく目の前のことで精一杯ですが、復職は自分を再スタートさせる貴重なタイミング。あらためて価値観がクリアになると、働き方の選択にも迷いが減ります。
さらに、「完璧にこなせるようにならなければ」と思う必要はありません。
育児も仕事も、日々の積み重ねの中でアップデートされていくもの。肩の力を抜いて、まずは“再び社会とつながる”自分を歓迎しましょう。
3. パートナーと“タスクの引き継ぎミーティング”をしよう
働くママがスムーズに復職するために欠かせないのが、パートナーとの連携です。
産後、家事や育児の多くを担ってきたのは誰なのか? これからも同じバランスで良いのか? 復職前にしっかり話し合うことで、精神的・肉体的負担は大きく変わります。
おすすめなのが、**「タスクの引き継ぎミーティング」**という考え方。
ビジネスのプロジェクトのように、家庭もチームで運営するもの。
具体的には…
- 送迎の担当をどう分けるか
- 朝のルーティン
- 夕食づくりの担当や時短案
- 子の体調不良時の対応ルール
- 週末の家事をどちらが何をするか
- 忙しい日が重なったときの“リリーフ案”
こうしたことを「曖昧なまま」にしておくと、復職後にズレが生まれ、お互いに負担が積み上がってしまいます。
逆に、タスクを可視化しておくことで、パートナーの協力意識も高まり、「二人で育てる・二人で働く」という健全な循環が生まれます。
4. 職場とのコミュニケーションは“オープン”に
育休明けの職場復帰で、多くのママが感じるのが「迷惑をかけてしまうのでは」という気まずさ。しかし、育休は法的に認められた制度であり、後ろめたさを抱える必要はありません。
むしろ大切なのは、復職前・復職後にしっかりコミュニケーションを取り、働き方のすり合わせを行うこと。
たとえば…
- 保育園の送迎のため○時には退勤したい
- 在宅勤務を週○回取り入れられるか
- 急な欠勤時の連絡フロー
- 担当業務の範囲や負荷調整
こうした点をあらかじめ共有すると、職場もスケジュールを組みやすくなり、結果的にあなた自身の働きやすさにもつながります。
また、「申し訳ありません」ではなく、「こうすればチームに貢献できます」という前向きな視点で話すと、周囲との信頼関係も築きやすくなります。
5. フルパワーで働く必要はない。“余白”が未来をつくる
育休明けは、どうしても気合いが入りすぎて、自分に必要以上の負荷をかけがちです。しかし、日々の生活は保育園の送迎・食事・寝かしつけ・家事などであっという間にいっぱいになってしまうもの。
復職後しばらくは、あえて余白をつくる働き方を意識しましょう。
これは決して怠けることではなく、長期的に働き続けるための“戦略”です。
- 仕事を抱え込みすぎない
- 完璧主義を手放す
- できない日はできないでいい
- 助けてもらう力を育てる
余白があることで、突発的な子どもの体調不良や家庭のトラブルにも柔軟に対応でき、結果として仕事のパフォーマンスも安定します。
6. スキルやキャリア形成を“止めない工夫”を
育休中や育休明けに多いのが、「キャリアが止まってしまうのでは」という不安。でも実際は、子育て中の女性ほど“新しい能力”を身につけています。
たとえば…。
- タスク管理力
- 即断即決力
- 対人交渉力
- 感情のセルフコントロール
- 効率化スキル
- マルチタスク対応
これらはビジネスシーンでも大いに活かせるスキル。
さらに余裕があれば、
オンライン研修・資格取得・スキルアップ講座などをゆるく取り入れるのもおすすめです。“学び直し”=リスキリングがしやすい時代だからこそ、育児期でもキャリアは十分に伸ばせます。
7. 自分を肯定する“仲間”をつくる
育児と仕事の両立は一人で抱えるものではありません。
保育園のママ友、SNSコミュニティ、同じ職場で子育てする先輩、地域のサポートグループなど、励まし合える仲間がいるだけで、メンタルの安定度は大きく変わります。
誰かの言葉に救われる日があるように、自分の経験が誰かの励みになる日もある。
“つながり”は働くママの大事な資産です。
8. 育休は「キャリアの空白」ではなく「人生を強くする時間」
育休を取る前、「キャリアが途切れてしまうのでは」と不安に思っていた方も多いでしょう。でも、子どもを育てるという経験は、人生の中で最も密度の濃い時間です。
- 他者への共感力
- 予測不能な状況への対応力
- 瞬時の判断力
- 優先順位をつける力
- 人生の価値観の明確化
この一年、あるいは数年間で身についた力は、仕事に戻ったときに必ず役立ちます。
キャリアの“中断”ではなく、キャリアの“成長”として捉えること。
それこそが、これからの働く女性が持つべき新しい視点です。
9. 育休明けは、もう一度“自分の人生を選び直す”時期
復職とは、単に仕事に戻ることではありません。
自分の人生をどう生きるかを、もう一度選び直すチャンスでもあります。
- 今の働き方を続けるのか?
- 新しい働き方に挑戦するのか?
- もっと柔軟な働き方を探すのか?
- 場合によっては環境を変えるのか?
どれも正解。
育児という大きな変化を経験した女性だからこそ、“働き方のアップデート”に向き合う視点が生まれます。
10. 最後に:育休明けのあなたは、思っている以上に強い
育児と仕事を両立させていく道のりは決して軽くはありません。
でも、育休を経た女性たちは、驚くほど柔軟で、したたかで、優しくて、強い。
「仕事がしたい」という思いも
「家族を大切にしたい」という思いも
どちらも、あなたの人生を前向きに進めていく大切なエネルギーです。
これから始まる新しい働き方は、きっとあなたにとってプラスになるもの。
焦らなくていい。完璧じゃなくていい。
少しずつ、自分らしいスタイルで歩けばいい。
育休からのリスタートは、あなたの人生がまた一段と豊かになるはじまりです。
未来への扉は、もう開いています。胸を張って、あなたのペースで進んでいきましょう。