育児と仕事のお役立ちコラム
2025年12月5日
久しぶりの面接、どう話す?育休トークをポジティブに伝えるコツ
産休・育休を経て、久しぶりに「転職活動をしよう」と思い立ったとき、多くの方が最初にぶつかる不安があります。
それは—— 面接での“育休の話”、どう伝えればいい? ということ。
「ブランクをどう説明したらいいか分からない」
「妊娠や出産が理由でマイナス評価されないか心配」
「正直、キャリアから離れていた期間が不安」
こうした声はとても多く、誰もが一度は同じ壁にぶつかります。でも実は、いまの転職市場では 育休期間をネガティブに捉える企業は減っています。むしろ、働き方の多様性が進む中で、出産・育児を自然なライフステージの一部と考える企業が増えてきました。
そこで本記事では、久しぶりに面接の場に戻るあなたが、育休や妊娠の経験を“自信をもって”“前向きに”伝えるためのポイントをまとめます。
少しカジュアルに、でも実際に役立つ内容にしていますので、ぜひ準備の参考にしてください。
1. 育休明けの転職が増えている理由
育休明けの転職というと、「珍しいのかな?」と思われがちですが、実はここ数年で増加傾向にあります。
主な理由は以下の通りです。
- 産休・育休後に働き方や価値観が大きく変わる
- 時短勤務や柔軟な働き方に対応した企業が増えた
- 家族とのバランスを見て、前職よりも働きやすい環境を求める人が多い
- キャリアの“第二ステージ”として、経験を活かした転職に踏み切る方が増えている
つまり、育休後に転職すること自体が珍しくない時代になっているのです。
2. 面接官は「育休期間」をどう見ている?成功のカギは“ブランクの説明の仕方”
育休経験をどう伝えるかによって、企業側の印象は大きく変わります。
多くの面接官は、以下の3つを確認したいと思っています。
- なぜ転職するのか(理由の一貫性)
- ブランク期間にどの程度、仕事への意識を保っていたか
- 転職後の働き方・勤務条件が企業とマッチしているか
つまり、育休自体を評価しているのではなく、
「この人は現実的な働き方を考えていて、長く活躍できそうか」
を見ているのです。
だからこそ、事実を淡々と話すだけではなく、育休期間をどう前向きに乗り越えてきたか、そして今どんな姿勢で仕事に向き合おうとしているかを、丁寧に伝えることが大切です。
3. “妊娠・出産・育休”の話をポジティブに伝える3つの基本構成
面接で育休の話をする際は、次の3ステップを意識すると印象が良くなります。
① 事実をシンプルに伝える
例)
「前職では○年間勤務し、その後、妊娠・出産に伴い育休を取得しました。」
長く説明する必要はありません。「育休を取っていた」という事実だけを端的に伝えればOKです。
② 育休中の“仕事への意識”をさりげなく添える
例)
「育休中は、業務に関連するオンライン講座を受講したり、情報収集を続けていました。」
この一言があるだけで、“ブランク=何もしていない”と思われる心配がなくなります。
③ 今後の働き方への前向きな意思を明確にする
例)
「育児と仕事の両立のために、効率的な働き方を意識するようになりました。御社で長く働ける環境を整えたいと考えています。」
面接官が最も気にする「ちゃんと働けるのか?」を、丁寧に言葉で伝えることが重要です。
4. よくある質問(想定問答)と“理想的な回答例”
では、具体的にどんな質問がされるのか、そしてどう答えるのが自然なのか。
実際の面接をイメージしながら見ていきましょう。
Q1. 「ブランクが長い理由を教えてください」
NG例
「妊娠してしまって…」「どうしても働けなくて…」など、“申し訳ない”雰囲気。
OK例(ポジティブ)
「妊娠・出産を機に育休を取得しておりました。期間中は子どもの成長に合わせて家庭を整えることを優先していましたが、徐々に働くイメージが明確になり、今回転職活動を始めました。」
事実+現在の前向きな姿勢をセットで伝えるのがポイント。
Q2. 「育休中はどんな過ごし方をしていましたか?」
OK例
「子どものペースに合わせた生活が中心でしたが、業務に関する知識を維持するため月に数回オンラインセミナーを受けていました。育児の時間が多い分、限られた時間で効率よく学ぶ習慣ができました。」
実務スキルに直結しなくても問題ありません。“働く意識”が伝わるかどうかが大事です。
Q3. 「ご家庭のサポート体制はどうなっていますか?」
※非常に聞かれやすい質問
OK例
「夫婦で家事・育児を分担しており、保育園の送迎も交代制です。勤務時間に関しても事前に家族と調整済みで、安定した働き方ができる環境を整えています。」
“働きやすさ”ではなく、“働く準備が整っている”という主張にすると印象UP。
Q4. 「転職する理由は何ですか?」
NG例
「前の会社では子育てと両立できなくて…」
不満ベースの説明は避けたいポイント。
OK例
「前職で得た経験を活かしながら、より柔軟な働き方が可能な環境を探したいと思い転職を決意しました。育児が始まったことで効率的に働く意識が高まり、能力を発揮できる場を広げたいと考えています。」
5. 育休経験を「強み」に変える視点
育休はブランクではなく、むしろ“成長の期間”でもあります。
たとえば…
- マルチタスク能力が上がった
- スケジュール管理や時間効率が大幅に向上した
- 物事の優先順位を瞬時に判断できるようになった
- 家族との分担調整などでコミュニケーション能力が鍛えられた
これらはビジネスの現場でも非常に価値があります。
実際、これらの力が育休後のキャリアの中核になる人も多くいます。
6. 「妊娠・出産をどう話すべき?」の正解
面接で妊娠や出産の話をする際、過度に踏み込んだ説明や個人的な事情を細かく語る必要はありません。
大切なのは、
- 事実を淡々と伝えること
- 働く姿勢を前向きに示せるか
- 職務と関連しない部分は深掘りしないこと
妊娠・出産は誰にとっても自然なライフステージのひとつであり、それを企業側も理解し始めています。
必要以上に「申し訳なさ」を背負う必要はありません。
7. 面接前にしておくべき“3つの準備”
最後に、面接でスムーズに育休の話ができるように、事前にやっておきたいポイントをまとめます。
① 育休期間のタイムラインを整理
- 産休入りした時期
- 出産(必要なら月だけでOK)
- 育休の期間
- 転職活動を始めた理由
これを明確にしておくと、質問に自信を持って答えられます。
② 自己PRに「育休経験による成長」を1つ入れる
例:
「育児中心の生活の中で、限られた時間で成果を出すための優先順位付けが上達しました。」
どんな小さなことでも“変化”は立派な強みになります。
③ 家庭内のサポート体制を説明できるようにしておく
不特定多数に家庭の事情を話す必要はありませんが、
「働くための環境は整っています」と言い切れると信頼度が大きく上がります。
8. まとめ:育休はマイナスではなく、“あなたのキャリアの一部”
妊娠・出産・育休を経て、また新しい場所で働き始める——
これは決して特別なことではなく、むしろ多くの人が選ぶ自然なキャリアの流れです。
面接で大切なのは、
育休をどんな“マインド”で過ごしてきたのか、そしてこれからどんな働き方を目指すのか。
育休はキャリアの“空白”ではなく、あなたが働く意味を見つめ直し、価値観を整理し、働き方をアップデートした貴重な期間です。
その“前向きな変化”を言葉にして伝えられると、自信を持って面接に臨めるはず。
そしてその姿勢こそが、企業にとって何より魅力的に映ります。
あなたのこれからの転職活動が、前向きで実りあるものになりますように。