育児と仕事のお役立ちコラム

2025年11月27日

子どもと過ごす時間を減らさずに、働き続けるコツ

  • 仕事と育児の環境づくり
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はじめに:時間は“増やせない”けれど、使い方は変えられる

仕事、家事、育児。どれも大切で、どれも手を抜けない。特に子どもと過ごす時間は、成長のスピードを考えると「今しかない」尊いものです。

一方で、女性の働き方はこれまで大きく変化してきました。産休・育休を経て復帰するママ、子育てとキャリアを両立しながら成長を目指すママ、フレキシブルな働き方を選ぶママ……その形はさまざまです。

ですが、どんな働き方であっても、多くの女性が共通して抱える悩みがあります。

「仕事を続けたい。でも、子どもとの時間を減らしたくない」

このコラムでは、そんな想いを抱えた方に向けて、“時間を削る”のではなく、時間の質を高めながら働き続けるためのコツを紹介します。今日から試せる小さな工夫ばかりなので、自分のペースで取り入れてみてください。

1. 子どもとの時間を守るために必要なのは“短時間”ではなく“密度”

まず大前提として、子どもにとって大切なのは「長い時間を一緒に過ごすこと」ではなく、短い時間でもママ・パパが心から向き合っていると感じられることです。

研究でも、親子の愛着形成に影響を与えるのは時間の長さよりも、コミュニケーションの質であることが明らかになっています。つまり、1時間ダラダラ関わるより、10分でもぎゅっと抱きしめて話を聞くほうが、子どもにとっては満足度が高いのです。

では、この“密度”を上げるために、どんな工夫ができるのでしょうか?

2. 朝の時間を“親子のゴールデンタイム”にする

忙しい平日は、どうしても帰宅後の時間が慌ただしくなります。仕事の疲れ、夕食づくり、お風呂、寝かしつけ……。「もっとゆっくり子どもと話したいのに」と思いながら、気づけば1日が終わってしまうことも多いものです。

そこで意外とおすすめなのが、朝の時間を親子時間にシフトすること。

・朝は子どもの気持ちが安定しやすい ・短い時間でもルーティン化しやすい ・ママの気力が残っている

この3つが揃うため、朝の親子時間はとても効果的です。

例:朝の10分でできる親子時間のアイデア

  • 一緒に朝日を浴びながら軽くストレッチをする
  • 朝ごはんを一緒に盛り付ける
  • 「今日楽しみなことを1つずつ言い合う」習慣を作る

朝の10分は、夜の30分よりも密度が高いとさえ言われます。仕事が忙しい時期ほど、朝時間の活用は大きな味方になります。

3. 夫婦で“タスクの見える化”をして、ワンオペ状態をなくす

働き続けながら子どもとの時間を確保するためには、家事の効率化と夫婦の協力が欠かせません。

しかし、言葉で「もっと手伝って」と伝えるだけだと、なかなかうまくいかないこともあります。そこでおすすめしたいのが、**家事・育児の“見える化”**です。

● 見える化のポイント

  • 紙やアプリで家事・育児タスクを書き出す
  • 「どちらが担当するか」ではなく「どれくらいの時間がかかっているか」を共有する
  • 完璧を目指さず、無理なく分担できる形を探す

見える化によって、パートナーも「こんなにやることがあったんだ」と気づくことができ、結果的に協力体制が整いやすくなります。

また、夫婦どちらかが仕事で忙しい期間は、もう一方が多めに担当し、落ち着いたらまたバランスを戻すなど、**“流動的な分担”**を取り入れると長期的に無理がありません。

4. 仕事は“効率化”よりも“エネルギー管理”が鍵

働き続けるためのテクニックとして「効率化」はよく語られますが、実はそれ以上に大切なのが、自分のエネルギーをどう使うかです。

● エネルギー管理のポイント

  1. 午前中に頭を使う仕事を集中させる
    • 出社・在宅にかかわらず、午前は脳のパフォーマンスが最も高い時間帯。
  2. “15分で終わるタスク”はその場で処理
    • 溜め込むと気持ちの負担が増え、結果的に疲労につながる。
  3. 仕事の優先順位を“緊急度”ではなく“インパクト”で考える
    • 効果が大きいものから手をつけると、達成感が増してエネルギーが回復しやすくなる。

エネルギー管理がうまくいくと、仕事にも集中でき、帰宅後は家族に向き合う体力がしっかり残ります。

5. テクノロジーを味方にして、時間を“生み出す”

今は、働く女性にとって強力な味方となるサービスやアイテムがたくさんあります。

● 時短を助けるアイテム・サービス

  • 食材宅配サービス(カット野菜、冷凍ミールキット)
  • ドラム式乾燥機
  • ロボット掃除機
  • 家事代行(隔週でも効果大)
  • 家計管理アプリ

これらは単なる“便利アイテム”ではなく、子どもとの時間を守るための投資です。

1日10分の時短でも、1週間で70分、1か月で約5時間。積み重ねると、驚くほどの時間が生まれます。

6. 「子どもと過ごす時間」を予定としてカレンダーに入れる

仕事の予定はカレンダーに入れるのに、親子時間は“空いている時間にやる”になりがちです。ですが、これでは忙しい時期ほど削られやすくなってしまいます。

そこで効果的なのが、**家族時間を“予定として登録する”**こと。

● 例:こんな予定の入れ方がおすすめ

  • 毎週水曜18:30〜「親子おやつタイム」
  • 土曜午前「家族で公園」
  • 月初の週末「子どもの成長アルバム整理」

予定として入れてしまえば、仕事のスケジュールもその前後に調整しやすくなり、自然と家族の時間が守られます。

7. 子どもに“お願いできる家事”を増やす

子どもとの時間を大切にしたい気持ちが強いと、「子どもには何もさせず、こちらが全部やる」状態になりがち。でも実は、子どもに家事を手伝ってもらうことは、時間確保にも育ちにもプラスです。

● 子どもが楽しんでできる家事の例

  • 洗濯物を色別に分ける
  • テーブル拭き
  • おもちゃの仕分け
  • 食器を並べる
  • 玄関の靴をそろえる

ポイントは、手伝いではなく“役割”としてお願いすること。自分が家族の一員として貢献できていると感じられ、自己肯定感にもつながります。

8. 「自分のための時間」を罪悪感なくとる

子どもとの時間を増やすために、自分の時間を削り続けていると、いつか必ずエネルギーが枯渇します。

働く女性にとって重要なのは、自分を満たす時間をきちんと確保すること

もちろん長い時間でなくてOK。5分の深呼吸、好きなカフェラテ、10分の散歩など、**小さな“回復時間”**を積み重ねることで、笑顔で子どもに向き合える余裕が生まれます。

9. 「働き続ける理由」を忘れずに持つ

忙しいと、ついネガティブに傾きがちになることがあります。そんなときに支えになるのが、自分が働き続ける理由です。

  • 子どもの将来のための経済的基盤をつくりたい
  • 好きな仕事を続けたい
  • 社会とつながりを持ちたい
  • 家族の価値観として、どちらも働く姿を見せたい

どんな理由も立派です。自分の軸を1つ持っておくと、迷ったときの大きな支えになります。

終わりに:時間の使い方は、家族の成長とともに変わっていく

子どもと過ごす時間と、仕事を続けること。そのバランスは、家族の成長に合わせてどんどん変わっていきます。

今うまくいかなくても、少しずつ調整していけば大丈夫。完璧を目指さず、”その時の家族に合った形”を探していけば、きっとあなたらしい働き方が見えてきます。

そして、あなたが笑顔でいられる働き方こそ、子どもにとって一番の幸せです。